悪い歯は抜いてインプラントをという考えがあると聞きますが、如何でしょうか?
老化や寿命によって歯を失うということはありません。
抜歯に至る原因はなんらかの歯科疾患なのですが、長きに亘ってその疾患に対する治療を行おうとはせず、歯科医師もまた患者自身も「歯はいずれ抜け落ちるもの、抜けた後は補えばいい」と考えてきたのです。
早期に抜歯すれば骨を残す事ができ、それだけインプラントが「長持ちする」と主張する歯科医師もいます。
それは身体を守る医療ではなく、抜けた後に置き換えられた人工物がどれだけ「持つ」かという非医療にすぎません。
昨今の「抜いてインプラントに」という安易な選択は、歯科医師の仕事を本来行うべき医療から遠ざけるものと言っても過言ではないのです。
私たちは患者さんの歯やからだを守る医療を実践する立場から、出来るだけご自身の歯を抜かずに大切にしていただけるよう努めています。