埋入した移植歯を今度は修復治療にとって理想的な位置へ移動
生着と感染防御の観点より、ピンポイントでココしか無いだろうという位置へ埋入したドナー(移植歯)を、今度は修復治療にとって理想的な位置へ移動させて参ります。

治療から無事に3年1ヶ月(2021年8月時点)が経過いたしました。
コロナ禍においてもしっかり定期的な検診にお越しいただいております。まったく噛めなかった右側で、おいしく食事が採れるようになったと大変喜んでいただきました。
【この症例で取り組んだ主な12のこと】
〇CTによる術前シミュレーション
〇リーフゲージを用いた咀嚼筋群とくに外側翼突筋のデプログラミングと中心位採得
〇数回の咬合調整によるJoint Resolution
〇ブリッジ支台歯となる歯根破折歯保存のためのマイクロエンドとその後の審美性と機能に配慮したRET(Rotative Extrusion Technique®)
〇マルチファイバーポストを用いた支台築造
〇3Dドナーモデルとサージカルガイドを用いた自家歯牙移植術
〇ドナー歯に対してMTAセメントを用いた逆根管充填
〇咬合の安定とクレンザビリティー確保のためのMTM
〇IOSによる嘔吐反射のある患者さんの負担が少なくかつ精密な歯型採得
〇BTA(Biological Tissue Adaptation)テクニック®を採用した最終補綴装置の設計と適切な咬合の付与
〇余剰セメント除去のための歯肉圧排
〇適切な接着操作とシーティングなど
患者さんの頑張りと、素晴らしいプラークコントロールに心から感謝です。







まだまだこれからの症例ですが、またこの場で皆さんに良好な経過をお示しさせていただけますよう、努めてまいります。
※この記事は主として医療従事者向けのインフォメーションとなります。
※これらすべての臨床写真はこのような保存治療の普及のため、患者さんに掲出の同意を得ております。